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​相 続 対 策

​法人成り

法人成りは生前の相続対策として有効

​相続税の節税及び相続税支払資金の確保

​方法その1:個人所有の賃貸物件を会社に譲渡(不動産所有法式)

​①所有建物のみを譲渡

法人成りのため、土地を売却して法人に移してしまうと所得税の譲渡所得が高額になります。
賃貸で収益を得ているのは土地そのものではなく建物であるため、法人成りには建物のみ保人に移転すれば足ります。

次に、ポイントとなるのは、建物を譲渡する際の価額です。

不動産(土地・建物)については時価となるのは、以下の4つです。

・固定資産税評価額

・建築価額

・不動産鑑定士が鑑定した価額

・帳簿の未償却残高
不動産(土地・建物)を売却する際は時価で売却したものとし、低廉譲渡であれば時価で売却されたものとされ、高額であれば会社にとっては受贈益が発生し、受贈益に法人税等が課税されてしまいます。
譲渡所得をゼロにするのであれば帳簿の未償却残高の簿価になります。
簡易帳簿のため、建物帳簿の未償却残高が不明な場合は固定資産税評価額でしょうか。
一方、土地については帳簿価額で評価するのは無理があるかと思います。

​②借地権の扱い

​建物には借地権が付随しており、高額なので、建物のみの譲渡とする建付が必要です。

建物譲渡により借地権を発生させないために、法人と土地所有者間で無償返還条項のある賃貸借契約を結びます。そして適正な地代を設定し、遅滞なく土地の無償返還に関する届を所轄税務署に対し法人と土地所有者が連名で提出することにより、借地権の認定課税が回避可能となります。

​そうすることで、相続時の土地評価は80%評価となります

​③法人成りの効果

​法人成りの節税効果としては、第1に、家賃収入を合法的に移転可能にすることです。
すなわち、家賃収入を推定相続人に生前に移転することにより、相続財産が減少して、相続税の節税につながります。
それゆえ、推定相続人が出資して会社を設立し、不動産のうち建物を会社所有にしてしまえば、家賃収入は会社の収益になります。さらに、役員報酬を支払えば、贈与税が課税されずに、合法的に相続財産を減らして相続税を減少させることが可能になります。

​第2に、建物のみを譲渡することにより、相続時の土地評価を20%下げることが可能になり、相続税額が減少します。

​方法その2:貸宅地(底地)の譲渡

​相続税の実効税率が高い場合、貸宅地(底地)にかかる相続税を考慮すると、底地から得られる地代や更新料では相続税負担分の回収は見込まれないため、底地は地主様にとってマイナスの財産となりかねません。

そこで、法人に譲渡することにより、相続財産から除外し、相続税額の削減を図ります。

​方法その3:賃貸物件を譲渡しない方法

上記2つとは異なり、賃貸物件を譲渡しない方式です。

不動産管理会社を設立して、その会社に管理料を支払うことで節税しようとする方法です。

​ただ、この方式は管理料の多寡をめぐって税務当局から指摘を得るケースが多いため、節税効果は小さいです。

法人成りは慎重に

​以上のように法人成りの相続税節税効果のインパクトは大きく、相続税額の試算が1億円を超える地主様は検討をお勧めします。

しかしながら、法人成りには以下のような一般によく言われるようなデメリットもあります。

①事務的な負担が格段に増える

②設立の際に法人登記費用が必要

③赤字でも法人住民税の均等割は支払義務がある

④従業員の社会保険や労働保険の負担が発生

①に関しては、専門家への依存割合が大きくなると、その分費用が掛かるため、会社経営に対する覚悟が必要です。

②に関しては、確かに費用が掛かりますが、節税分で解消可能です。

③に関しては、一定の規模の賃貸物件所有の場合にはあまり問題にならないと思います。

④に関しては、法人成りの前にシュミレーションが必要です。

​以上、特に①④に関して、十分に検討される必要があります

弊事務所では、相続税額のシュミレーションをはじめとする相続対策、法人成り(会社設立)並びに、会社設立後の事務作業をサポートさせて頂いております。

​ご興味のある地主様は、お気軽にお問い合わせください。

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